【書評】NO.54 武藤将胤さんが書かれた「KEEP MOVING」を読みました
本の記録NO54
武藤将胤さんが書かれた「KEEP MOVING」を読みました。
本の感想
~27歳で難病ALSになった僕が挑戦し続ける理由~
人から「クレイジー」と言われるくらいに自分の信念をもって何かにのめりこむ、そんな熱さをもった人、自分が世界を変えられると本気で信じる人たちが、本当に世界を変えてきた(1997年のアップル社のCM)
ぼく自身、ひとりの難病患者として、今の障害者支援の考え方には、「デザインだとかカッコよさのようなものを求めるのは、贅沢なんじゃないの?」という風潮が根強くあるように感じています。
(中略)
たとえば誰もがポジティブに「乗りたい」と思える車いす、ワクワクして外に出かけたくなるデザインの車いすがもっと増えて世の中に普及すれば、その人はもっと楽しく生きられるようになります。
ALSになり、「自分の持ち時間は有限なんだ」ということを強く感じるようになりました。
それによって、自分が本当にやりたいこと、やるべきことは何なのかが、どんどん絞り込まれて見えてきた。
好きなことに関しては「もっといろいろ知りたい」と積極的に動くことができます。
だから、自分の好きなことをとことん突き詰めていくことって、すごく大事なことだと思います。
そうやって夢中になって取り組んだこと、そこで得たものは、絶対に無駄になりません。
何かをやる前に「できっこない」「こんなの無理に決まってる」なんてあきらめてはダメだ。
好きという自分の気持ちを大切にしてどっぷりとそこに浸ってみるんです。
そうやって夢中になってやったことは、絶対に自分の人生を豊かなものにしてくれます。
「自分は何のためにこれをやっているのか」
このことがクリアになっていれば、「自分事」として熱く なれます。
世界中にALSの認知・理解を高めるため「WITH ALS」を立ち上げ、テクノロジー×コミュニケーションの力を駆使した啓発活動を行っている筆者。
筆者のお父さんの「彼は、難病を背負ったから特別な存在になったわけではない」という言葉、とても共感しました。
筆者は「自分の好き」を追求する生き方をしてきて、途中ALSになったけれど、これまでと同様、これからもきっと「自分の好き」を追求する生き方をされるんだろうと思います。
私自身も「自分の好き」を追求する生き方をしたい。
時間は有限、時間=命
頭では分かっていても、心が分かりきっていない。
だから、
頭では分かっていても、行動に反映されない。
自分自身を反省しました。
そして、私がこの本を読んで考えさせられたこと。
それは、難病の方、障害がある方の支援のあり方。
生きているだけで十分、支援を受けているだけで十分
から、
人生を楽しむ、その人らしい人生を生き切るために、何かできることはないかと自分が考えたことがあるのか。
どこかで、介護(支援)しやすい服、介護(支援)しやすい環境、介護(支援)しやすい人...
を私は望んでいなかったか
今、父が難病で自宅療養中です。
突然の介護に戸惑いがあります。
といっても、別世帯(徒歩5分のところに住んでいますが)なので、父と同居している母や弟の苦労を思うと私なんか何もできていません。
父の希望や尊厳をどこまで、私は大切にできているだろうか。
深く考えさせられました。